こんにちは!兵庫県加古川市を拠点に、工場・プラントの機械設置や電気・管工事を手掛けている株式会社榊工機です。
「現場の配線作業は問題ないけれど、制御盤の図面(シーケンス図)を見ると途端に自信がなくなる…」そう思うことはありませんか?
実は、ベテランの電気工事士であっても「制御やソフト面は苦手」という方は意外と多いものです。
しかし、「繋ぐ技術」を持つあなたが「動かす仕組み(シーケンス制御)」を理解すれば、現場でのトラブル対応力や市場価値は劇的に向上します。そこでこの記事では、現場視点で読み解くシーケンス制御の基礎から、図面の読み方のコツ、そして習得することで得られるキャリアのメリットについて分かりやすく解説します。
■図面の壁を突破する読み方のコツ

現場で「図面通りに繋ぐ」ことはできても、その中身が「なぜ動くのか」まで理解できている人は多くありません。シーケンス制御の図面は、電線の物理的な位置を示すものではなく、電気の流れる「順序(シーケンス)」と「論理」を描いたものです。まずは、苦手意識を持ちやすい図面の種類と読み解き方の基本を押さえましょう。
・シーケンス図とラダー図の違い
電気工事の現場で目にする図面には、大きく分けて「シーケンス図(展開接続図)」と「ラダー図」があります。 シーケンス図は、リレーやタイマーなどの機器を実際に配線するための図面で、電源ラインに対して電気の流れを上から下へ記述するのが一般的です。電気回路の物理的な接続関係を把握するのに適しています。 対してラダー図は、主にPLC(シーケンサ)内部のプログラムを記述するためのものです。2本の垂直な電源線の間に、接点やコイルをはしご(Ladder)のように横向きに配置することからこう呼ばれます。
・現場で頻出する記号一覧と暗記法
図記号はJIS規格で定められていますが、全てを丸暗記する必要はありません。現場で制御を理解するために最優先すべきは「a接点」、「b接点」、そして「コイル(電磁石)」の3つです。 a接点は「普段は開いていて、操作すると繋がる(ONになる)」スイッチ、b接点は「普段は繋がっていて、操作すると切れる(OFFになる)」スイッチと、動作のイメージで覚えましょう。 また、古い設備の改修工事などでは、現在のJIS記号とは異なる旧JIS記号が使われている図面も存在します。
・回路図を追うための思考フロー
複雑に見える配線図も、分解すれば単純な「条件と結果」の積み重ねです。読み方のコツは、全体を一度に見ようとせず、「電源から負荷(出力)へ」向かって、一本の線を指でなぞりながら追うことです。 「もし(IF)この押しボタンスイッチを押したら、電流がどこへ流れるか?」 「その結果(THEN)、どのリレーのコイルが励磁して(磁石になって)、次にどの接点が動くか?」 このように、電気信号の「入力」から「出力」までの道筋を一つずつ時系列で追っていくことで、装置がどのような順序で自動運転されるのかが見えてきます。
■リレーと自己保持回路の完全攻略

シーケンス制御の心臓部とも言えるのが「リレー(電磁継電器)」です。複雑に見える自動制御も、突き詰めればリレーによるオン・オフの組み合わせで構成されています。ここでは、現場で図面を読み解くために避けては通れない、接点の動きと「自己保持」の仕組みについて解説します。
・a接点とb接点の動作イメージ
図面上の接点記号を見たとき、瞬時に動作をイメージできるようにしましょう。a接点(メーク接点)は「普段は開いていて(OFF)、指令が来ると繋がる(ON)」スイッチです。玄関の呼び鈴のように「押している間だけ鳴る」イメージです。 対してb接点(ブレーク接点)は「普段は繋がっていて(ON)、指令が来ると切れる(OFF)」スイッチです。非常停止ボタンのように「押すと回路を遮断する」役割でよく使われます。リレー内部のコイルが励磁(電気で磁石になること)することで、これらの接点がカシャッと切り替わり、回路の論理を構成します。
・自己保持回路が必須な理由
押しボタンスイッチは、指を離すとバネの力で元の状態(OFF)に戻ってしまいます。しかし、一度起動ボタンを押したら、指を離してもモーターやランプには動き続けてほしい場面がほとんどです。 そこで、自分がオンにしたリレーのa接点を、起動スイッチと並列(バイパス状)に繋ぎます。こうすると、スイッチが切れても、自分の接点を通ってコイルに電気を供給し続けることができます。これが「自己保持回路」です。
・リレー回路の実践的な使用例
現場では、制御盤の小さな操作スイッチで、巨大なモーターを動かす電磁接触器(マグネットスイッチ)を制御する際によく使われます。微弱な電流しか流せない操作スイッチの代わりに、リレーが大きな電流を扱える機器へ信号を中継・増幅する役割を果たします。 また、「インターロック回路」の構築にも不可欠です。「正転用のリレーがオンの間は、逆転用の回路のb接点を切っておく」といった構成にすることで、モーターが同時に正逆回転してショートする事故を物理的に防ぐことができます。
■制御が分かれば現場が変わる

配線作業は「繋げば終わり」ですが、設備の運用はそこからがスタートです。機械が動かない、誤動作するといったトラブルが発生した際、シーケンス制御の理解があるかどうかで、対応スピードと解決能力に天と地ほどの差が生まれます。
・トラブル対応での回路図活用
設備が停止した時、闇雲に端子を増し締めしていませんか?制御が分かる職人は、まずシーケンス図を広げます。 テスターを当て、図面上の「どの接点まで電気が来ているか」を順序立てて追跡することで、不具合の原因が断線なのか、リレーの故障なのか、センサーの不検知なのかを論理的に特定できます。勘に頼らない修理は、手戻りがなく確実です。
・制御盤の中身を理解するメリット
制御盤の中身がブラックボックスのままだと、何かあるたびにメーカーや盤屋を呼ぶことになり、その待ち時間が大きなロスになります。 盤内の配線や機器の役割を理解していれば、簡単な部品交換やリセット作業は自分で判断して行えます。この「現場で完結できる力」こそが、顧客(工場長や保全担当者)からの絶大な信頼に繋がるのです。
■年収アップへ繋がる資格と勉強法

制御のスキルは、電気工事士としての希少価値を大きく高めます。一般的な配線工事に加えて、自動制御の設計やメンテナンスまで対応できるようになれば、活躍のフィールドは広がり、それは確実に年収や待遇へと反映されていきます。
・シーケンス制御検定などの資格
実力を客観的に証明するには、国家資格である「技能検定(シーケンス制御作業)」への挑戦が有効です。筆記だけでなく、実際に機材を使って回路を組む実技試験があるため、現場で通用する実践的なスキルが身につきます。取得すれば、転職市場や社内評価での強力な武器となります。
・現場で役立つ効率的な独学法
机上の学習だけでは限界があります。最も効率的なのは、現場にある実際の図面をコピーさせてもらい、機械の実際の動きと照らし合わせながらトレースすることです。 また、最近ではパソコン上で動作するシミュレーションソフトや、安価な練習キットも充実しています。失敗しても機器を壊すリスクのない環境で、何度も回路を組んで動かす経験が理解を早めます。
・制御もできる多能工への道
これからの時代に強いのは、一つの専門分野に留まらない「多能工」です。 電気の配線ができ、機械の据付ができ、さらに制御で命を吹き込める。そんなハイブリッドな職人は、自動化が進むどの現場でも引く手あまたです。自分の限界を決めず、技術の掛け算で唯一無二のエンジニアを目指しましょう。
■まとめ
今回は、経験豊富な電気工事士こそ「シーケンス制御」を学ぶべき理由と、その実践的なメリットについて解説しました。「配線ができる」という確かな現場力の上に、「制御(頭脳)」の知識を積み上げることで、あなたの市場価値は劇的に向上します。それは単なる作業員から、現場全体を動かすエンジニアへの進化を意味します。
■ワンランク上の技術者を目指すなら榊工機へ

兵庫県加古川市を拠点に、プラント・工場の機械器具設置、電気工事、管工事をワンストップで手掛ける株式会社榊工機では、共に働く仲間を募集しています。
当社は、単一の工事だけでなく、機械・電気・配管の複合的なスキルが身につく環境です。「図面通りに施工するだけでは物足りない」「もっと上流の制御や調整に関わりたい」という意欲ある経験者には、最高のフィールドをご用意しています。創業50年以上の安定した基盤のもと、資格取得支援や先輩社員のフォロー体制も充実しており、腰を据えてキャリアアップを目指せます。
あなたの「現場経験」を、私たちはどこよりも高く評価します。少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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